食べ過ぎや飲み過ぎや不規則な生活リズムや精神的ストレスや過労や肉体的疲労や睡眠不足や運動不足やアレルゲン物質や寒さや暑さなど、健康を害するものは日常生活の中に数え切れないほどたくさん潜んでいますが、喫煙もその最たるものです。タバコは百害あって一利なしと言われており、肺がんや肺気腫や気管支喘息や高血圧症や動脈硬化や脳卒中や虚血性心疾患や糖尿病や歯周病や骨粗鬆症や関節リウマチなど、ありとあらゆる病気発症率を高めます。健康を脅かすリスキーな存在であるため、国をあげて禁煙が推奨されています。

食後の一服が習慣として染み付いてしまい吸わないと食事が終わっていないような感じで気持ち悪い、お酒を飲むと環境的に手持ち無沙汰も相まってつい吸ってしまう、今度こそ絶対に成功させるという強い意志で始めるけどモチベーションが続かず挫折するなど、健康のためにタバコをやめたいのにやめられず悩んでいる喫煙者は多いのではないでしょうか。そんな喫煙者の禁煙への挑戦を妨げるのがニコチン依存症です。ニコチン依存症とはタバコに含まれるニコチンの作用により生じる病気で、血中のニコチン濃度が低下すると不快感を覚えタバコを吸わずにはいられない状況に陥ります。

喫煙で起こる現象の反作用で発症します。ニコチン依存のメカニズムについてですが、タバコを吸って肺に取り込んだニコチンが脳内に存在するニコチン性アセチルコリン受容体と結合し、強力な快楽をもたらす脳内神経伝達物質のドーパミンが大量に分泌されます。タバコを吸わずにいると快楽につながる作用が無くなりニコチン離脱症状が出てしまい、快楽をもとめて喫煙を繰り返すという仕組みです。脳の働きが原因で起こるというのがニコチン依存症の厄介な部分であり、喫煙を成功させるためには自分の脳を騙しながら悪循環を断ち切るためのアプローチをしていく必要があります。

依存症は精神疾患の一種ですので、メンタルヘルス対策との結びつきも強いです。ニコチン依存症のメカニズムを理解してタバコを吸ってしまう原因を知ることが、禁煙への第一歩となります。根性論や物理的なアプローチだけでは乗り切ることが出来ない難しい問題でもありますので、自分一人では太刀打ちできないなと感じているなら、禁煙外来を設けているクリニックを受診して本格的な治療を受けるというのがベストな選択であると言えるでしょう。クリニックでは禁煙治療薬を用いた薬物療法が行われますが、ドクターと二人三脚で取り組むことがモチベーション維持につなあります。